熱中症にご注意を!
熱中症とは、人の身体が本来行っている「熱を作る機能」と「熱を発散する機能」のバランスが崩れ、体温調節がうまくできない状態のことです。
放っておくと死に至る危険のある状態ですが、適切な対策や応急処置により予防することができます。
熱中症の予防方法
5つのポイント
暑さを避けるために次のことを実施しましょう
- 暑い日には外出しない
- 積極的に冷房を入れ、同時に扇風機を使う
- ブラインドやすだれを使う(カーテンは風通しが悪くなるため注意)
- 日傘や帽子を使用する
こまめに水分補給をすることが必要です
- のどが渇く、暑い場所に行く前から水分補給をする
- 一日に必要な水分は1.2L+汗をかいた分
- 起床時や入浴後は必ず水分補給をする
- (大量に汗をかいたときのみ)スポーツ飲料など塩分が含まれているものを摂取する
暑さに備えた身体作りをしましょう
- 日頃からウォーキング等で身体を暑さに慣らす
体力や体調を考慮しましょう
- 脱水状態や食事抜きといった万全ではない体調のまま暑い環境に行くことは、絶対に避ける
- 体調が回復して、食事や水分摂取が十分にできるまでは、暑いところでの活動は控える
- 活動の後は水分と睡眠を十分に取り、涼しい環境で安静に過ごす
集団活動の場ではお互いに注意しましょう
- 熱中症予防を担当する人を決める
- 個人のペースを守り無理をさせない
- すぐ利用できる休憩場所を確保する
- いつでも飲める冷たい飲料を準備する
- こまめに休憩が取れるように休み時間を予定に入れる
- 相互に体調を気遣うよう伝える
熱中症に注意が必要な人
高齢者と子どもは特に熱中症に注意が必要です。それぞれ次の点に気を付けましょう。
高齢者 | 子ども |
---|---|
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|
周囲の方々による見守りや声掛けのご協力をお願いします。
熱中症が疑われる人を見かけたら
応急処置として実施すべきことは、「避難」「冷却」「水分、塩分の補給」です。応急処置をして、症状が改善しない場合は医療機関に行くことが必要になります。
避難
クーラーの効いている部屋に移動しましょう。できなければ、風通しの良い日陰に移動します。
冷却
できるだけ早く体温を下げる必要があります。衣服を脱がせて、体から熱の放散を助けます。きついベルトやネクタイ、下着はゆるめて風通しを良くします。
皮膚に濡らしたタオルやハンカチをあて、うちわや扇風機等で風を送ることにより身体を冷やします。服や下着の上から少しずつ冷やした水をかける方法もあります。
冷やしたペットボトルや氷入りのビニール袋等を、首の付け根、脇の下、太ももの付け根の前面に当てて冷やすことも有効です。
水分、塩分の補給
冷たい水を飲んでもらいます。冷たい飲み物は身体の中から冷やすことができ、同時に水分補給もできます。
大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分を適切に補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。食塩水(水1Lに1〜2g の食塩)も有効です。
受け答えが明確で、意識がはっきりしている場合は、冷やした水をどんどん飲んだほうが良いです。
意識がはっきりしない場合は、水分が誤って気道に流れ込む可能性があります。また、「吐き気を訴える」「吐く」症状がある場合は、すでに胃腸の動きが鈍っている可能性があります。これらの場合には、口から水分を飲んでもらうのは禁物であり、病院での点滴が必要になります。
自力で水が飲めない、呼びかけに反応がない(意識障害がみられる)場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。
熱中症警戒アラートについて
令和3年4月から、熱中症予防に関する情報「熱中症警戒アラート」が全国で開始されました。
熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日夕方または翌日早朝に、都道府県ごと(帯広市の場合は十勝地方)に発表されます。
発表の基準
予報区内のどこかの地点で暑さ指数(WBGT)が33以上になると予測した場合に発表されます。
暑さ指数(WBGT)…人間の熱バランスに影響の大きい(1)気温(2)湿度(3)輻射熱の3つを取り入れた暑さの厳しさを示す指標
発表時の予防行動について
熱中症の危険性が極めて高くなると予測される日の前日または当日に発表されるため、日頃から実施している熱中症予防対策を普段以上に徹底することが必要です。
予防行動の例
- 不要不急の外出は避け、昼夜を問わずエアコン等を使用する。
- 高齢者、子ども、障害者等に対して周囲の方々から声かけをする。
- エアコンが設置されていない屋内や屋外での運動は、中止または延期をする。
- のどが渇く前にこまめに水分補給をするなど、普段以上の熱中症予防を実践する。
暑さ指数を確認しましょう
メール配信サービスや環境省LINE公式アカウントを利用すると、お住まいの地域の暑さ指数や熱中症警戒アラートの情報をすぐに受け取ることができます。詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
熱中症の基本的な知識
なぜ起こるのか
暑さを感じると、自律神経を介して身体の細い血管が拡張し、皮膚の表面に多くの血液が流れます。皮膚の表面から身体の外へ熱が逃されることにより体温が低下します。また、汗をかくと、水分の蒸発に伴って熱が奪われる(気化熱)ため体温が低下します。
このような状態が続くと、本来必要である重要な臓器への血流が少なくなるほか、大量に汗をかくことで身体から水分や塩分が失われ、脱水状態になります。結果、筋肉のこむら返りや失神(いわゆる脳貧血:脳への血流が一時的に滞る現象)を起こします。
そして、熱の産生と熱の放散とのバランスが崩れてしまうと、体温が急激に上昇します。このような状態が熱中症です。
熱中症を引き起こす3つの要因
- 環境:気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強いなど
- からだ:高齢者や乳幼児、低栄養状態、二日酔いや寝不足といった体調不良、脱水状態など
- 行動:激しい運動や慣れない運動、長時間の屋外作業、水分を補給しにくい行動など
どれくらい起こっているのか
熱中症やその疑いにより救急搬送される方は、年々増加しています。
消防庁の統計によると、令和5年5月~9月に熱中症により救急搬送された方(全国)は91,467人であり、前年に比べ20,000人以上増加し、過去2番目の多さとなりました。北海道では3,265人が救急搬送されており、前年の約3倍となっています。
熱中症が発症した場所でもっとも多いのは、住居内(39.9%)であり、屋外や道路(29.4%)よりも多くなっています。このことから、どこで過ごしていても熱中症を発症する可能性があることがわかります。
熱中症の症状と重症度分類
1度(軽症) | めまい、立ちくらみ、失神、筋肉痛、筋肉の硬直 |
---|---|
2度(中等症) | 頭痛、吐き気、おう吐、倦怠感、虚脱感 |
3度(重症) | 2度の症状に加え、意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害 |
次のような症状があると、重度の熱中症が疑われます
- 高い体温
- 赤い(熱い)乾いた皮膚~全く汗をかかない、触るととても熱い
- ズキンズキンとする頭痛
- めまい、吐き気
- 意識の障害~応答が異常である、呼びかけに反応がない等
その中でも、意識がない、自分で水が飲めない、症状が改善しない場合は、救急搬送が必要です
その他、熱中症の情報について
熱中症対策について、さらに詳しく知りたい方は、以下のホームページをご覧ください。
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市民福祉部健康保険室健康推進課健康づくり係
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